2014年10月23日木曜日

オークパンサーの日

10月8日は、僧侶の長い修行期間の終わりを意味するオークパンサーでした。朝、ラオス人のお誘いで托鉢に出掛けました。



シン(ラオスの巻きスカート)を履いて、ろうそくやお供え用のお菓子を用意して近くのお寺へ。こういう時はいろんな種類のシンが一度にたくさん見られるので、それも楽しみの一つです。



列に並んで順番に托鉢。人数多いので流れ作業のようでしたが、全てのお供えを托鉢し終えました。

またこの日は、夕方から家の門扉にろうそくを立て火を灯したり、メコン川にロウソクを乗せた小さな船を浮かべる儀式が行われるので、とても賑やかになります。次の日はそのメコン川でボートレース。

今回、はじめてのオークパンサーをビエンチャンで過ごすつもりでしたが、いろんなタイミングがあって、この賑やかな街を抜けて夜行バスでラオスの南部へ向うことにしました。

お祭り騒ぎの日は、交通機関も通常通り運行するのか不安でしたが、バス乗り場までピックアップに来てくれるはずのトゥクトゥクがバイクの2人乗りに変わった程度で、無事バスに乗ることができました。

バイクの後ろから見るその日のビエンチャンの街は、家々の門にたくさんのろうそくが灯され、花火が打ち上げられたり、いつも違う風景。それに、この日は偶然にも皆既月食。満月だった月が、はっきりと右半分が丸く欠けていて神秘的でした。

南部は今回がはじめての訪問です。南部に向うこの寝台バスは、同性同士で1つのベットをシェアしなくてはいけません。



今回は乗車してる人も少なくて、私の横に誰も乗ってきませんでした。幸いにも一人でのんびり寝られると思ったら、突然道端でギャルがバスを止め乗り込んできて、私の隣にきてしまったので、知らないラオス人と一緒のベットでパクセーまでの旅となりました。


朝7時頃、パクセーのバスターミナル付近でバスが止まり、そこからトゥクトゥクでローカルバスターミナルへ。

運転手のおじさんに「今日はバスはもうない。きみの目的地までは行けないよ。」「僕が600,000kipで連れてってあげるよ。」と言われちょと本気にしたけど、いや、おかしい。。。ということで、バス停まで行って本当にないか見てみることにしました。バス停が近づく頃、嘘だったことが分かりもうそれ以上何も言わなかったけれど、最初のパクセーの印象はイマイチでした。



気を取り直して、そこから今回の旅の一番の目的地、ホアイフンタイ村を目指します。
ここは先日ルアンパバンで友達になった友人、モンの出身の村。腰端のビースを使った織物を織るカトゥー族の人たちがたくさん暮らしています。
乗り合いバスのサラワン行きに乗り込み、一路ホアイフンタイ村へ!

私以外ラオス人、横の席のおばちゃんのかばんの中にビニール袋に入ったにょろりとしたものが動くけど、見ない見ない、気にしなーい。

バスの一人用の席が空いていたので座っていたら、おばさんがやってきて、「ここはおばあの席だから、後ろに移って」と強引に移動を命じられました。笑
席はまだ空いているのに・・・と思いつつ後ろへ移動。でも、おばあはどこかへ行ってしまったし、十分元気だと思うんですけど。。。

その後もどんどん人が乗り込んでくる中、若い女性が、またおばあの席に座ってしまいました。そうすると、どこからともなく帰ってきたおばあが、またその子に移動を要求。
しかし、バスはいっぱいで席がない。立ったままかと思っていたら、おばあはバスを降りて近くのレストランへ。レストランの外で使われていたプラスチックの椅子をバスに無理矢理持ち込み、「はい。椅子だよ。」ってな具合。

みんな座らないと嫌みたいで、その後もいくつかプラスチック椅子を持ち込んではお客さんを座らせていて、やっとおばあがお客でないことがわかりました。笑


ようやく出発したバスですが、10分ほど走ったところでバスが修理工場のような所へ入っていきます。

そう。故障です。ここから1時間程修理がはじまりました。こういう時は“しょうがない”。の一言で、待ちます。

隣の席に座っていたおばちゃんと世間話をしていると、おばちゃんがあのビニール袋を大切そうに触っています。後ろに座っている女性に、これいいでしょ。安かったのよ、という感じでとても嬉しそう。その正体は、へび。
若い女性がいたので、「食べるの?」と聞いてみると、「うん。おいしいよ。あなたは食べないの?」と逆に聞かれ、「食べない。食べない。」と断固否定。本当に、なんでも食べるんだなぁと関心してしまいました。
へびを持っていたおばちゃんの荷物の中には、何かのシマシマしたしっぽがあったのも気になったけど、怖いので絶対その件に触れないようにしました。笑

そんな世間話をしていると、ようやく修理が終わり出発。

ぎゅうぎゅう詰めのバスは、コーヒーで有名なボラベン高原を抜け、1時間半程で村に連れ行ってくれました。
ラオスのバスは自己申告制なので、「ここでおります!」と言わないと停まってくれません。みんなにさんざん行き先を伝え、近くなったら教えてねと念を押しておいたので、間違わずにばっちり降りることができました。

日本人の友人とカフェで待ち合わせをしていたので、カフェの場所を探します。

第一村人を発見!「カフェどこですか?」と声をかけたその人は、なんか誰かに似ているなぁ。。。

「家の裏だよ。ここから行けば近いからどうぞ。」と、家の敷地内から通してもらって、ようやく友人たちと合流できました。



ここのお庭にはコーヒー豆の木があって、そこで採れたコーヒーをいただきました。酸味が少なくて飲みやすい。ほっと一息休憩です。
カフェでのんびりしていると、さっき家の敷地内を通してくれた方の妹が、私を見るなり「yukiでしょう?」と。「あ。。。もしかして、モンの妹?!」ということで、私がルアンパバンで友達になったモンの家族だったことがわかり、ビックリ。そりゃよく似てるわけだ!世間は狭い。
私が、村に訪れることを伝えてくれていたようで、声を掛けてくれました。嬉しい出会い。出会いとは実に面白い。旅をさらに充実したものにしてくれます。

その後、目的のビース織りを見に行きました。いたる所でカトゥー族の女性が、腰機を使って機織りをしているのですが、ショップも兼ねたこちらの建物には、多くの織物が所狭しと並べられていました

天然染色の落ち着いた色合いの物や、バナナの繊維を使った物など様々な種類のものがあり、手織りだからこそ1つとして同じ物がない。想像以上に素敵なものばかりで、感激のあまり長旅の疲れもどこへやら。

売り物の布たちも然ることながら、彼女たちが履いているシンも素晴らしかったです。この日は求めていた織物に出会え、イベント用の織物も手に入り大満足な一日でした。