どうしてもこの村へ連れて行きたい人がいて、1枚の名刺を頼りに村人に連絡をとりました。
なんとなく場所はわかるので、そのまま突撃!というのもできるのですが、できるだけ村へ訪れる時は、連絡を入れるようにしています。やっぱり、自分の村に外国人が急に来るのは驚くし、それをよしと思わない村もあるのを知っているので、できるだけ事前にコンタクトをとるようにしています。
友人を通してもらった小さな名刺。一度訪れたことのある村ですが、どの人の名前か分からないままとりあえず連絡。幸い電話はつながって、年配の女性が出てくれました。
私の拙いラオス語で友人のことを伝え、「あなたの村の織物を見に行きたいのだけど、いいかな?」と聞いてみました。
いいよと言ってくれて、しかも街から息子が来る日だから、一緒に乗せてきてもらうといいよと連絡先まで教えてくれました。
早速息子さんにも連絡を取って、事情を説明すると、一緒に村まで行ってくれることを承諾してくれました。ほっと一安心。。。
当日、友人2人と息子さん家族と6人で、3時間ほどかけてタイルー族の村へ。
息子さんは英語も話せる人で、家族のことや仕事についていろんな話をしました。「昔、ビエンチャンにある日本人の会社で働いていたことがある。」というので、小さなビエンチャンで会社の名前くらいはわかるかな?と思って聞いてみたら、なんと、私の上司の元で働いていた人。
たまたま彼のお母さんに連絡を取って、たまたまピックアップしてくれた人なだけなのに。この偶然。。。
私たちの泊めてもらうお母さんのお家は、木造の高床式の家の大きな家。夜はここで蚊帳を張って眠ります。
中は、一つずつ手で組まれたであろう床や壁の木材が不揃いに並んでいて、部屋を仕切る扉のノブには、小さな糸巻きが使われています。簡素だけど可愛らしいお家でした。
すでに、私たちが染色や織物に興味があることは分かっているので、「見に行く?」と誘っていただいて、織り機で布を織っている家々を訪ねたり、藍染用のたくさんの瓶や染色材料も丁寧に説明しながら村を案内してくれました。
ちなみにこちらの鮮やかな色は、ウコン。コットンはシルクよりも色が出にくいのですが、こーんなにも鮮やかな色。
以前から一枚は欲しいと思っていた、タイルー族のシン(ラオスの巻きスカート)と、いくつか布を購入させてもらいました。
最後に、とっておきを出してきてくれて、この総柄のこの織物に一同感激。お母さんの手にかかれば、2週間ほどで仕上げてしまうそうですが、緻密なタイルー族の織物にしばらく見入ってしまいました。
ちょっと今回は購入できなかったけれど、こういった優れた織物は今手に入るうちに保存しておかないと、きっといつか耐えてしまいます。資料として残しているものはないので、織り上がったがなく、織れる人もいなくなってしまえば、もう一度つくることができなくなってしまうのです。
うーん。次回来る時はぜひ。。。
そんな中、近くで採れる筍の料理やシンダート(ラオスの焼肉)などのたくさんのお料理で私たちをもてなしてくれました。どれも美味しくて、いつまでも箸が止まらなかった。
ちなみに、写真の女性たちが手にしている鶏はあまり気にしないでください。よくある風景です。笑
そして夜、歯磨きをするために外に出ると、降ってきそうなたくさんの星!
家々から漏れる小さな光だけしかない村では、とても美しい星空が広がっていて、月が明るい。ずーっと眺めていたいと思うような美しい空でした。
また、次の日の朝にはお日様が上がった空で、こーんなものまで見ることができました。
頭から尻尾までつながったまんまるの虹。太陽の周りにきれいにできた初めて見た虹でした。
街からも遠く便利な場所ではないし、基本的に山や畑から採れるものを食べ、水浴びのシャワー。きっと北部のここは乾季の時期は息が真っ白になるほど寒くなるはず。
村の小さなコミュニティーでいろんなことがあると思うけれど、美しい風景や女性たちの手仕事を見ていると、やはり豊かさや、自分の環境について考えさせられる。何を選んで何を捨てるか。。。今、私はそういうことを考える機会をもらっているんだな、きっと。。。