2015年8月23日日曜日

カムの山

先日、ウドムサイから1時間半ほどいったところにあるカム族の村へ1泊ホームスティに行ってきました。



ビエンチャンからウドムサイまでは、今回はじめてLCCのLao Skywayを使ってみました。

今回の目的は、コットン製品の生産者と、葛を使ってこんな商品を作っている生産者に会いに行くこと。



はじめにホームスティのお願いをしていた村が、村人以外の人の立ち入りが禁止される期間に入ってしまい、急遽訪問先が変更になったり、雨季で孤立してしまっているシナの商品を作っている村に行けなかったり、ということはありましたが、目的の葛とコットン製品の生産者を訪ねてきました。

ウドムサイの空港に着いた時、山に囲まれていて、山好きの私としては一気にテンションがあがって、間違いなく楽しい滞在になる!と確信。

しかも、着いてすぐにお世話になるカム族の村へ向かったので、市内を抜け、どんどん山深くなっていきました。


途中、田植えをしている棚田の風景や、川が流れていて、自然がいっぱいでいいなぁー・・・なんて思っていたら、あれは自然いっぱいの山ではなくて、トウモロコシの山だよと。そして、バナナ栽培のためにたくさんの山が切り開かれて、農薬たっぷりの中国輸出向けのバナナを作っているとのことでした。

さすが、中国に近いだけあって、こんな田舎でもたくさん影響を受けていることを痛感し、「自然じゃない。トウモロコシだ」と、はっきりと言ったおじさんの、言葉にはしなかった気持ちがじんわりと伝わってきました。



いくつかの小さな村を抜けて到着したカムの村。前に一度ビエンチャンで会ったことのある、小さなウアイ(お姉さん)が笑顔で迎えてくれました。




そして、夕方も近かったので、早速ごはんの準備をしてくれました。
もち米と村で採れる筍やお魚の料理でもてなしてくれました。

食後の後は外で水シャワーをして、1日の疲れと泥を落としました。ちなみに川でシャワーをザブザブと浴びている人たちもいて、それはそれで良さそうでした。


次の日は、彼女たちの作るネットバックの素材となる葛を見たいという私たちのリクエストで、山へ向かうことになりました。

私たちが出かける前に雨が降っていて、ウアイが、「本当に見に行くの?」と何度も聞くので、面倒くさいのかなぁ・・・と思っていたら、雨のせいで道がこの状態だったのでした。



泥だらけになるのは気にならないのですが、サンダルに泥が絡んで前に進まない。しかも坂道だから、転びそうになります。

でも、その横を村人たちは裸足でさくさく追い抜いて行くので、私もサンダルを脱ぎ捨てて裸足であるくことにしました。



歩くこと約15分。葛畑に到着!

小さなウアイが、ナタを手にごぞごぞと畑に潜り、蔓を持って帰ってきました。そして、あっという間に繊維のみを取り出して見せてくれました。

圧巻!!


取り出されたばかりの繊維は、瑞々しく白く透き通っていて、とってもキレイ。
でも、1本からとれるのはほんのちょっと。一つのバックを作るためにどれだけたくさんの葛を収穫しなくてはいけないのと考えると、想像以上でした。


もと来た道を戻る前に少し休憩。そこらへんに生えていたサトウキビを持ってお裾分けしてくれて、サトウキビの糖分がちょうどいい感じに体にしみる〜。おいしかったぁ。



ふとみたら、さすが抜け目ない。今晩の食材にお花や、葉っぱをこんなかわいくまとめてありました。トトロのお土産みたい。

素材を見せてもらったあとは村へ戻り、バックを作っている様子を見学させていただきました。










2015年8月2日日曜日

タイルーの空

先月、ルアンパバン北部のタイルー族の村へ行きました。

どうしてもこの村へ連れて行きたい人がいて、1枚の名刺を頼りに村人に連絡をとりました。

なんとなく場所はわかるので、そのまま突撃!というのもできるのですが、できるだけ村へ訪れる時は、連絡を入れるようにしています。やっぱり、自分の村に外国人が急に来るのは驚くし、それをよしと思わない村もあるのを知っているので、できるだけ事前にコンタクトをとるようにしています。

友人を通してもらった小さな名刺。一度訪れたことのある村ですが、どの人の名前か分からないままとりあえず連絡。幸い電話はつながって、年配の女性が出てくれました。

私の拙いラオス語で友人のことを伝え、「あなたの村の織物を見に行きたいのだけど、いいかな?」と聞いてみました。

いいよと言ってくれて、しかも街から息子が来る日だから、一緒に乗せてきてもらうといいよと連絡先まで教えてくれました。

早速息子さんにも連絡を取って、事情を説明すると、一緒に村まで行ってくれることを承諾してくれました。ほっと一安心。。。

当日、友人2人と息子さん家族と6人で、3時間ほどかけてタイルー族の村へ。

息子さんは英語も話せる人で、家族のことや仕事についていろんな話をしました。「昔、ビエンチャンにある日本人の会社で働いていたことがある。」というので、小さなビエンチャンで会社の名前くらいはわかるかな?と思って聞いてみたら、なんと、私の上司の元で働いていた人。

たまたま彼のお母さんに連絡を取って、たまたまピックアップしてくれた人なだけなのに。この偶然。。。


そんなこともあって、あっという間に村へ到着。曲がりくねったガタガタの山道を過ぎ、到着した村は空が広くて、田畑や山がどこまでも広がっていて、とても気持ちがいいところでした。

私たちの泊めてもらうお母さんのお家は、木造の高床式の家の大きな家。夜はここで蚊帳を張って眠ります。


中は、一つずつ手で組まれたであろう床や壁の木材が不揃いに並んでいて、部屋を仕切る扉のノブには、小さな糸巻きが使われています。簡素だけど可愛らしいお家でした。



すでに、私たちが染色や織物に興味があることは分かっているので、「見に行く?」と誘っていただいて、織り機で布を織っている家々を訪ねたり、藍染用のたくさんの瓶や染色材料も丁寧に説明しながら村を案内してくれました。



ちなみにこちらの鮮やかな色は、ウコン。コットンはシルクよりも色が出にくいのですが、こーんなにも鮮やかな色。


また、このお母さん。かなりの腕前の織り子さん。タンスから大量の作品が出てきたのでじっくり拝見。
以前から一枚は欲しいと思っていた、タイルー族のシン(ラオスの巻きスカート)と、いくつか布を購入させてもらいました。



最後に、とっておきを出してきてくれて、この総柄のこの織物に一同感激。お母さんの手にかかれば、2週間ほどで仕上げてしまうそうですが、緻密なタイルー族の織物にしばらく見入ってしまいました。

ちょっと今回は購入できなかったけれど、こういった優れた織物は今手に入るうちに保存しておかないと、きっといつか耐えてしまいます。資料として残しているものはないので、織り上がったがなく、織れる人もいなくなってしまえば、もう一度つくることができなくなってしまうのです。

うーん。次回来る時はぜひ。。。

また、夜になると、山も近いのずいぶん涼しくなります。

そんな中、近くで採れる筍の料理やシンダート(ラオスの焼肉)などのたくさんのお料理で私たちをもてなしてくれました。どれも美味しくて、いつまでも箸が止まらなかった。


それに、料理を作る釜戸が素敵。お鍋や道具もとっても年季がはいっています。
ちなみに、写真の女性たちが手にしている鶏はあまり気にしないでください。よくある風景です。笑

そして夜、歯磨きをするために外に出ると、降ってきそうなたくさんの星!

家々から漏れる小さな光だけしかない村では、とても美しい星空が広がっていて、月が明るい。ずーっと眺めていたいと思うような美しい空でした。

また、次の日の朝にはお日様が上がった空で、こーんなものまで見ることができました。



頭から尻尾までつながったまんまるの虹。太陽の周りにきれいにできた初めて見た虹でした。

街からも遠く便利な場所ではないし、基本的に山や畑から採れるものを食べ、水浴びのシャワー。きっと北部のここは乾季の時期は息が真っ白になるほど寒くなるはず。




村の小さなコミュニティーでいろんなことがあると思うけれど、美しい風景や女性たちの手仕事を見ていると、やはり豊かさや、自分の環境について考えさせられる。何を選んで何を捨てるか。。。今、私はそういうことを考える機会をもらっているんだな、きっと。。。








気がつけば、、、カオパンサー

先日の30日の木曜日は、僧侶が修行に専念するカオパンサー(入安居)という日でした。この日から3ヶ月間は、僧侶だけでなく、仏教徒のラオス人は結婚式などのお祝い事、飲酒を控えなくてはいけないので、少しは静かな生活になるかしら。。。


最近はすっかり雨季に入り、毎日雨がたくさん降るようになり、この日も小雨が降る中托鉢にでかけました。


月末の忙しさにバタバタとしていて、全然気づかなかった私。。。友人から、「明日托鉢行くけど行く?」と聞かれ、少々の疑問を感じつつも、「行く。」と返事して準備。

当日。「で。。。なんで今日托鉢?」と聞くと、「え。だって今日カオパンサーだよ。」と。

あっそっか、ちょっと前にお寺でカオパンサーの準備してるとかそんな話題を聞いたな。と納得。ともかく、ついて行くことにしました。

7時過ぎについたお寺には、すでに大勢の人が。少しひくのを待って、カオニャオ(もち米)やお菓子を托鉢しました。人が多すぎて、とにかく必死だったけど、できるだけ気持ちを込めて。

そして、お寺の敷地内に点在する仏様たちにも、小さくまとめたカオニャオやお菓子をお供え。ろうそくに火を灯し、手をあわせました。

もちろん、そんな風に供えられた食べ物にはアリが列をなし、お寺からのおすそ分けを忙しそうに巣まで持ち帰ろうと長い行列ができていました。


托鉢のあと、最後に自分の仏様のところで、お参り。
7体の仏様が祀られている場所があり、生まれた日にちではなく、曜日の仏様だそうで、私は自分の生まれた曜日がわからなかったので、今回は見物させてもらいました。

ラオスのお寺のこと、今までいろいろと教えてもらってけど、もっと詳しく掘り下げていくと面白そうだな。。。まぁその前に、そんなことをお坊さんからたくさん教えてもらえるようになるためにも、ラオス語もっとがんばろー!と思った、カオパンサーの日でした。