村に行く前に、「今から向かうからね。」と連絡をすると、「今お兄さんが病気でみんなで看病していて家にいない。でも、夕方には帰るから。」とのこと。村ではオーダー以外に記録映像を撮りたいと思っていたので、作り手の女性が戻ってくるまで、子どもたちと村の人にひとまず会えればいいと思って、そのまま村へ向かいました。
彼女が戻ってくるまで村の日常を記録に撮ったり、風邪っぴきで学校を休んでいるのに意外と元気な子どもたちと遊んだりして過ごしました。いつもと違う視点を持つと、新たに見えてくることや出会いがたくさんあって、男性が意外と女性の織物の仕事を手伝っていたり、探していた生活籠が思いがけず手に入ったりと充実した滞在になりました。
そして、夕方に家に帰ってきた作り手の女性には新しい布のオーダーも無事に出来て、また数ヶ月後に取りにくる約束をしました。(この約束に関しては、いつも作り手を信じるしかないので、しっかりお願いだけはしてきました。)
ちなみに、作り手の女性は、どこか診療所のような所に行っているものだと思っていたら、お兄さんはシャーマンの家で治療を続けていて、兄弟や親戚が交代で付き添っているとのこと。しかもお兄さんは、癌。ビエンチャンの大きな病院でも見てもらったけれど、もう手の施しようがない。でも、シャーマンの治療を受けて始めてから、何も食べられなかったお兄さんが少しずつ食べられるようになっているそうで、治療を続けているそう。
本当に良くなっているのかどうかについては分からないけれど、変化があったことは事実で、不思議なものだと感じました。ラオスは医療の面で非常に遅れています。でも、その国その国のやり方があると思うので、お兄さんが良くなることを祈りながら、村を後にしました。
この布が無事上がってこれば、5月に東京で皆さんにお見せできる予定です。お楽しみに!